NGINXのアクセス制御とは?
NGINXの基本的な役割
NGINXは、高速なリバースプロキシ、ロードバランサー、HTTPサーバーとして世界中で利用されています。特に大量のトラフィックを効率的に処理する能力に優れており、人気の高いWebサイトやアプリケーションでも広く採用されています。
アクセス集中やDDoS攻撃とは?
アクセス集中とは、多数のユーザーが同時にWebサイトへアクセスすることで、サーバーに過度な負荷がかかる現象です。一方、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃は、悪意ある第三者が多数のリクエストを意図的に送り、サーバーのリソースを枯渇させる攻撃手法です。
なぜアクセス制御が重要なのか
アクセス制御を適切に設定しないと、サーバーが過負荷状態に陥り、正規のユーザーがサイトを利用できなくなる可能性があります。NGINXのlimit_req_zoneを使うことで、異常なリクエストを制限し、サーバーの負荷を適切に管理できます。
limit_req_zoneとは?
limit_req_zoneの基本概念
limit_req_zone
は、リクエストの頻度を制限するNGINXの機能の1つです。これを設定することで、特定のIPアドレスからの過剰なリクエストをブロックし、サーバーへの負荷を軽減できます。
どのように動作するのか
limit_req_zoneは、共有メモリ内にリクエスト情報を保存し、設定されたレートを超えたリクエストを制限します。例えば、「1秒あたり2リクエストまで許可」といったルールを設定できます。
他のアクセス制御方法との違い
NGINXには、他にもlimit_conn_zone
(同時接続制限)やdeny
(IP単位のブロック)などのアクセス制御機能があります。しかし、limit_req_zoneは、時間単位でのリクエスト頻度を制限できるため、DDoS対策として非常に有効です。
limit_req_zoneの設定方法
設定ファイルの編集手順
limit_req_zoneを設定するには、NGINXの設定ファイル(通常はnginx.conf
)を編集する必要があります。
nginx.conf
を開くhttp
ブロック内にlimit_req_zone
を定義server
ブロックまたはlocation
ブロックにlimit_req
を追加- 設定を保存し、NGINXを再起動
基本的な設定例
以下は、limit_req_zoneの基本的な設定例です。
http {
limit_conn_zone $binary_remote_addr zone=connlimit:10m;
server {
location / {
limit_conn connlimit 10;
}
}
}
実際の適用方法
limit_req_zone $binary_remote_addr zone=mylimit:10m rate=1r/s;
- これは、各IPアドレスごとに1秒間に1リクエストを許可する設定。
limit_req zone=mylimit burst=5 nodelay;
- 一時的にバースト(急増)を5リクエストまで許可する。
nodelay
を指定すると、超過したリクエストを即座に拒否する。
実際の適用方法
limit_req_zone $binary_remote_addr zone=mylimit:10m rate=1r/s;
- これは、各IPアドレスごとに1秒間に1リクエストを許可する設定。
limit_req zone=mylimit burst=5 nodelay;
- 一時的にバースト(急増)を5リクエストまで許可する。
nodelay
を指定すると、超過したリクエストを即座に拒否する。
よくある質問(FAQ)
1. limit_req_zoneの設定を変更した後、すぐに適用されますか?
設定変更後は nginx -s reload
で再読み込みが必要です。
2. DDoS攻撃を完全に防げますか?
完全ではありませんが、一定の効果があります。他の対策と併用しましょう。
3. APIエンドポイントだけ制限できますか?
はい、location /api/
など特定のパスにのみ適用できます。
4. 設定ミスで正規ユーザーがブロックされることは?
あります。ログを確認しながら適切な rate
と burst
を設定してください。
5. CDNを利用している場合、影響はありますか?
CDNのキャッシュ設定次第で、効果が変わることがあります。
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